Syntax highlighter

2016-03-26

ファイルシステムの監視 実装編

とりあえず、inotify、kqueueとReadDirectoryChangesWの3つで大体同じように動くものができた。例えばtailコマンドっぽい何かは以下のように書くことができる。
;; tail.scm
(import (rnrs) (getopt) (sagittarius filewatch) (binary io))

(define (tail file offset)
  (define watcher (make-filesystem-watcher))
  (define in (open-file-input-port file))
  ;; dump contents to stdout
  (define (dump)
    (let loop ()
      (let ((line (get-line in)))
        (unless (eof-object? line) 
          (put-bytevector (standard-output-port) line)
          (put-bytevector (standard-output-port) #vu8(10))
          (loop)))))
  (define size (file-size-in-bytes file))
  ;; move port position if the size if more than offset
  (when (> size offset) (set-port-position! in (- size offset)))
  ;; dump first
  (dump)
  ;; add path to file watcher
  (filesystem-watcher-add-path! watcher file '(modify) 
                                (lambda (path event) (dump)))
  ;; monitor on foreground.
  (filesystem-watcher-start-monitoring! watcher :background #f))

;; this tail is not line oriented
;; it shows tail of the file from the given offset.
(define (main args)
  (with-args (cdr args)
      ((offset (#\o "offset") #t "1024")
       . rest)
    (tail (car rest) (string->number offset))))
#|
sash tail.scm foo
|#
これで延々とファイルに追加されたものを標準出力に吐き出していく。まだドキュメント化していないが、捻りを加える必要もないだろうし、多分これが最終形になると思われる。

実装に関して
前回も書いたが三者三様なのでそれぞれ苦労した。inotifyは素直にできているのでLinuxのinotify(7)にあるサンプルを参考にしながらで十分だった。思ったとおりこれが一番楽だった。次いでkqueueなのだが、こいつは例があまりなかったのと、kqueue自体が非常に総称的にできているので理解するまでに苦労した。理解してしまえばまぁそれほどという感じではある。ReadDirectoryChangesWはこれ自体はそんなに複雑じゃないんだけど、どちらかというとそれ以外の部分(OVERLAPPEDとかFILE_NOTIFY_INFORMATIONとか)が多少面倒だった感じ。動いてるけど正しく実装したのか自信ない。

実装間に於ける制限
意外だったのはkqueueが制限が一番大きくなったこと。kqueueはファイルの監視はできるけど、ディレクトリの監視をした際にどのファイルが変更されたとか追加されたとかを知る術がない。ものすごく頑張ればやれなくないんだけど、監視対象毎にファイルディスクリプタが必要になるので、万を超えるファイルとかがあるディレクトリの監視とかすると普通に死にそう。(ものすごく頑張る必要性を今のところ感じていないので頑張っていないが・・・)
次いでinotify。ディレクトリの再帰的監視は頑張らないと無理(kqueueも無理だけど)。まぁ、再帰的に監視したいかと言われるとよく分からないが。とりあえず他の実装もこれにあわせるようにしてお茶を濁した。
Windowsはファイルの監視ができないんだけど、ディレクトリの監視をすればどのファイルが変更されたかの情報が取れるので特に問題なかった。ありそうなのは、Windows Vista以降ではデフォルトでアクセス時間の変更がされないので、それの監視をしたい場合はシステムを弄らないといけないことか(実装とは関係ない) 。

落とし穴
Cygwinが実は落とし穴だった。CygwinはPOSIX環境を提供してくれるんだけど、inotifyもkqueueもPOSIXじゃないので存在しない。そしてCygwin自体にファイル等を監視するようなAPIもない。どうしたかといえば、Windowsの実装の上にパス変換(cygwin_conv_path)を噛ませるようにした。また、監視を止めるのに他の環境だとスレッドに割り込みをかけるようにしているが、Windowsのコードを流用しなければならないのでそれができない(Cygwinはスレッドの割り込みにシグナルを使うがWindowsはSetEventを使っている)。しょうがないので泥臭い方法で回避している。

所感
疲れた。後は使いつついじっていく感じかな。

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