Syntax highlighter

2017-02-09

楕円曲線暗号

今年の抱負の一つ、楕円曲線暗号を実装している。とりあえず肝の一つであるECDSAを実装し終えた。こんな感じで使える。
(import (rnrs) (crypto))

(define keypair (generate-key-pair ECDSA :ec-parameter NIST-P-521))

(define msg "this message requires digital signature")

(define ec-signer (make-cipher ECDSA (keypair-private keypair)))

(define signature (cipher-signature ec-signer (string->utf8 msg)))

(define ec-verifier (make-cipher ECDSA (keypair-public keypair)))

(cipher-verify ec-verifier (string->utf8 msg) signature)
;; -> #t
一応NISTが推奨する楕円曲線パラメータは全部実装してある。テストベクタもあるので、当然テストもしてある。おかげでテスト時間が増大した。処理が重い…SECGが推奨するパラメタも実装しないとなぁと思いつつ割と現状で満足している感もあり、既に随時追加する方向にシフトしつつある。

今となっては笑い話だが、実装している間で一番苦労したのが「正式な仕様を見つけること」だったりする。暗号系に限らず、プロトコルの実装をする際は可能な限り「正式な仕様」(RFCとか)を当たるようにしているのだが、楕円曲線暗号はこれを見つけるのに苦労した。Google先生にお伺いを立てると大抵RFCに当たるんだけど、探した限りだとRFCにはECDSAの拡張はあってもそれ自体がない。まさかWikipediaに書いてあるのをそのまま(実際正しかったんだけど)鵜呑みにするのもなぁと思い探したら、行き着いた先はANSIだったという。最終的にはX9.62でググるのが正解というのに辿り着いた。こういうの知らんと探せんなぁと思った次第。

実はこれを実装してようやくスタートラインに立ったというのが正直なところ。ここからECDH、SSHとTLSにECDSA+ECDHを追加していく予定。まだ先は長いが、今年の抱負なので、今年中に終わればいいだろうくらいな気持ちでいたりはする。

2017-02-01

ひらけ!ポンキッキ

r/lisp_jaとTwitterに以下の投稿があった。
前者がGuileで後者はR6RSで実装されている。文字列をグルグルさせるのならSRFI-13のxsubstringが使えるだろう思い、僕も書いてみた。
(import (rnrs) (srfi :13))

(define s "ひらけ!ポンキッキ")

(define-syntax do-while
  (syntax-rules ()
    ((_ ((var init ...) ...) (pred r) commands ...)
     (do ((first #t #f) (var init ...) ...)
         ((and (not first) pred) r)
       commands ...))))

(do-while ((t s (xsubstring t 1))) ((string=? s t) #t) (display t) (newline))
Cのdo ... whileを真似たdo-whileマクロは正直いらんけど…
以下は実行結果
$ sash hirake.scm
ひらけ!ポンキッキ
らけ!ポンキッキひ
け!ポンキッキひら
!ポンキッキひらけ
ポンキッキひらけ!
ンキッキひらけ!ポ
キッキひらけ!ポン
ッキひらけ!ポンキ
キひらけ!ポンキッ
毎回文字列の比較をするので、当然効率は良くないが、まぁこういうこともできるということで。